こんにちは。TIのアプリケーション・エンジニアの アレック・カクネビシアスです。 今回はTIの統合型ロード・スイッチと、 ディスクリートMOSFETソリューションと比較した場合の そのメリットについて解説します。 一般的に、ロード・スイッチは電源と負荷の間に 配置されます。 負荷をオンにする必要がある場合、ロード・スイッチを閉回路にします。 負荷をオフにする場合、ロード・スイッチを開回路にします。 負荷をディスクリート実装するには、MOSFETをスイッチング素子 として使用する必要があります。 この素子を「パスFET」と呼んでいます。 MOSFET自体はそれほど堅牢なソリューションでは ないので、付加部品を使用する必要があります。 PMOSトランジスタの場合、制御FETと抵抗を 追加します。 ソリューションに対して出力電圧の立ち上がり時間を制御 された値にするには、コンデンサを追加してPMOSゲート の充電を低速化する必要があります。 これはシンブルなロード・スイッチです。 付加機能を追加しない場合、 4個の部品で構成されるソリューションになります。 TIの統合型ロード・スイッチを使用すると、1個の デバイスで同じ機能を実現できます。 その結果、75%以上の大幅なスペース節減と 同時に、設計の複雑さの低減が可能になります。 付加機能を追加する場合、ソリューション・ サイズの違いが最大90%超になる可能性があります。 例えば、スイッチがディスエーブルの時に出力電圧 を0Vにするのであれば、 ディスクリートMOSFETの場合、反転制御信号、 トランジスタ、抵抗が必要です。 TIの統合型ロード・スイッチの多くは、すでにこれらの 機能を内蔵しています。 逆電流を防止する必要がある場合、ディスクリート・ ソリューションでは双方向FET構成を実装する必要が ありますが、この場合、性能は50%に低下し、 ソリューション・サイズは2倍になります。 ロード・スイッチの場合、MOSFETを1個追加する だけで同じ機能を実現できます。 一部のシステムではパワー・グッドが不可欠な信号で、 ディスクリート・ソリューションは最大6個の部品が必要になる可能性があります。 統合型ロード・スイッチの場合、パワー・グッド信号の生成 に必要なのは1個の抵抗だけです。 このほか、TPS22810などのロード・スイッチは、 ディスクリート・ソリューションで実装できない機能も備えています。 サーマル・シャットダウンはそうした機能の1つで、 ロード・スイッチの過熱を防止することにより、デバイスを 安全な状態に維持します。 統合型ロード・スイッチはサイズと多数の統合機能に 関して大幅な改善を実現しているほか、競合するディスクリート ・ソリューションに対して多くのメリットを 提供します。 詳細な分析については、ディスクリートMOSFETをロード ・スイッチで置き換える方法とその理由を解説したビデオをご覧ください。 ロード・スイッチ全般については、www.tij.co.jp/loadswitchを ご覧ください。 ありがとうございました。